オーラルフレイル 口腔機能低下症
体の衰えと同じように口も衰えます。口の衰えを「オーラルフレイル」と言います。
・オーラルフレイルは体の衰えに繋がることがわかってきました。
オーラルフレイルの人が将来、介護、死亡のリスクを高めます。要介護になるリスクは2.4倍、総死亡リスクも2.1倍に上昇することがわかりました。 そのため早くからオーラルフレイルを認識しておくことはとても重要です。
・年代別オーラルフレイルの割合
オーラルフレイルは自覚しにくいとされています。しかし実際に調べてみると60代で60%、70代で80%、80代でほぼ100%の方が該当しています。50歳以降で割合が増加する傾向にあります。
出典:太田ら.地域歯科診療所における口腔機能低下症の割合.老年歯学.2018:33(2)79-84
・簡単なチェック表で確認してみてください。
3点以上の方は、オーラルフレイルの危険性ありです。歯科医院でご相談されることをお勧めします。
・保険適用となったオーラルフレイル、口腔機能低下症
現在50歳以上の方は、オーラルフレイルについての検査が保険でできるようになりました(保険病名:口腔機能低下症)。オーラルフレイル、口腔機能低下症は、お口の様々な働きの複合的な低下により診断されます。 7項目の検査(口腔衛生状態、口腔乾燥、咬合力、咀嚼能力、舌口唇運動機能、舌圧、嚥下機能)を行い、異常があれば結果をもとに日常生活で気を付けることや訓練方法を指導します。その後、一定期間(一般的には1月後)に変化や改善度を確認し、症状に応じ訓練等を行い、機能の改善を目指しています。
主な検査
・咀嚼能力検査
グミを20秒しっかり咀嚼する。
飲み込まないよう注意しながら、10mlの水を口に含ませ、グミと一緒に濾過用のメッシュに吐き出させる。
ろ過液をチップに垂らし、測定
・舌圧検査
バルーンを、舌と上顎に挟み、舌でバルーンをしっかり押しつぶす。
・舌口唇運動検査(滑舌検査)
パ、タ、カをそれぞれ5秒間なるべく早く続けて発音してもらい、1秒間当たりの平均回数で評価します。この検査方法を、オーラルディアドコキネシスとも言います。 回数を自動測定してくれる、健口くん を使っています。
・口腔乾燥検査
ムーカス水分計を使い、舌表面のうるおい具合を検査します。