令和元年12月5日、十日市きんさい学と称する十日市自治会主催の市民講座で、「入れ歯も飛び出る!?歯の話」と題し地域住民の皆様に公開講演をさせていただきました。
皆さんはオーラルフレイルという言葉を聞かれたことはありますか?
お口のささいな機能低下から病的な機能低下までをひっくるめてオーラルフレイルといいますが、最近、このオーラルフレイルが全身の健康ひいては寿命にまで影響することがわかってきました。
今回は、オーラルフレイルの概念についてわかりやすく説明し、簡単な実習やセルフチェックを行いながらオーラルフレイルの認識を早く持つことが重要であるとお話ししました。いまでは、保険で「口腔機能低下症」として歯科医院で、舌圧検査や咀嚼能力検査といったより詳しい検査が受けられます。口腔機能低下症を早期発見し管理指導を受けることが全身的なフレイル(虚弱)の予防につながります。
また講演の後半では、感染症としての歯周病が、全身の病気とも関係があることをお話ししました。特に皆さんの関心が深い、認知症と歯周病やお口の機能との関連について最近のデータを示しながら、歯やお口の健康がアルツハイマー型認知症の予防につながることをお話ししました。
広島県は、平均寿命は上位ながら健康寿命は下位にランクされており、かかりつけ歯科医を持ち口腔機能を保つことが健康寿命を引き延ばすことつながる可能性があります。
美しく調和の取れたという意味がある「令和」の時代、お口もいっしょに調和のとれた「齢和」で過ごしませんか??